嫌われ松子の一生 下

嫌われ松子の一生 (下) (幻冬舎文庫)

嫌われ松子の一生 (下) (幻冬舎文庫)

松子伯母の人生は、何だったのだろう。悲劇とか、不幸とか、そんな言葉では言い表せそうにない。

俺はまだ、松子伯母が最初に躓いた年齢にも、達していない。松子伯母の人生を他人ごとのように考えてきたが、この先、俺にも同じことが起こらないという保障はない。沢村さんから言われたように、何かの拍子で人を殺してしまうことだって、ないとは言い切れない。殺人まで犯さなくても、生きている以上、予想もしなかtt出来事に、数多く遭遇することになるだろう。
確実に言えることは、俺も松子伯母と同じように、時間が経てば老いていくし、いつかは必ず死ぬということだけ。時間は限られている。その限られた時間と、どう向き合っていくか。