自転車その2

そうして私のもとに戻ってきた自転車だが、数年放置されていたため、ボロッちくなっていたわけで、もともと中学生の行動範囲などたかが知れてることもあり、そのまま使わずに年月が過ぎた。

高2の冬休み、バイトに行くためにこのエメラルドグリーンの自転車を使っていたが、すでにママちゃりというカタチの古さとエメラルドグリーンの色にも愛着がさめ、新しいシティサイクルが欲しくなった。
が、使える自転車があるのに新しいのを買ってくれるわけもなく(ちなみに姉はチャリ通学のため新しい自転車を使用)。

いつものようにバイトに行くために陸橋を登り、急スピードでそのまま下っていたそのとき。
左折してオートバックスの駐車場に入ろうとした車(4輪駆動車)に衝突!
自転車と平行に走ってた車が左折してきたため、私に気づくのが遅れ、しかも気づかずにそのままのスピードで駐車場に入ってくれれば衝突することもなかったのだが、その車の運転手は何を思ったか急ブレーキをかけ、いわゆる歩道の真ん中でとまった。
びっくりした私も思いっきりブレーキをかけてとまろうと試みたが、なんせ錆付いた自転車なので、キュルキュル勢いのよい音はするものの、結局、歩道にとまった車のドアにぶつかってとまった。
まさに絵を描いたような場面だったが、結局、とまっている車に急ブレーキをかけたまま突っ込んだかたち。
私はかすり傷程度。
車のドアは多少へこんだかも?でも、そこがオートバックスなので治してもらえば…なんて思うゆとり有り。
運転手のお兄さん、車から降りてきて「大丈夫ですかっ。」て聞いてくれたけど、なんか恥ずかしくて「大丈夫です…」と答えて、とりあえず自転車を押しつつその場を去った。
が、よぉく考えてみると、思いっきりブレーキをかけたままぶつかったため、自転車の前輪にブレーキのゴムがめりこんだ状態。
これじゃあブレーキかけながら自転車こごうとしてる状態で、ちっとも進まない。

とりあえずバイトに遅刻しないように、って前の車輪を持ちあげて、後ろの車輪だけで押して歩いた。
現場がバイト先のほど近くだったため、行きはよくとも帰りが大変だった。
たしか、友達に手伝ってもらったのか、前の車輪にめりこんだブレーキをむりやりはなして、どうにか動く状態には回復したものの、今後いっさいブレーキが効かない状態になってしまった。

修理すればまた使えるようになったかもしれないが、これがチャンスとばかりにさっそく次の休みの日、近所のホームセンターで新しい自転車(シルバーのシティサイクル。)を購入。
親にはなんの断りもなく、バイト代で買い、事後報告した。
これが正真正銘、自分が稼いだお金で初めて購入したMy自転車。
その自転車は大学を卒業して、社会人1年間くらいは使ったが、自動車の免許を取得し、スクーターを購入するに至り、近所の女の子に譲った。(中学時代の学生コートも、高校で着ていた紺色のコートもあげた気がする…)