仕事をしなければ、自分はみつからない。


下流社会」の著者・三浦展のほかの著作も読んでみたくなって読んだ本。


仕事をしていない20〜30代の若者が社会的問題となっている。いわゆる”団塊の世代”の子どもにあたるこの世代の若者たち……。彼らはコギャルやガングロ、プリクラや携帯電話といったファッションの火付け役でもあった。いつしか大人になった彼らは、「自分に合わない仕事ならしたくない」「自分に向いた仕事がわからない」など、ぼんやりと曖昧に豊かな社会ならではの自由を甘受し、”フリーター世代”を形成した。路上での食べ歩き、コンビニ文明、活字離れなどなど、迷走する現代の若者たちを目のあたりにして、”自分を探すな、仕事を探せ。”筆者はそう訴える。


「好きなことを仕事にしろ、やりたいことをやれ」と社会経験のない子どもに言っても、世の中にある約3万の職業名をずべて知っているはずがない。小学生で20くらい、高校生でも50くらいしか知らないのが実情であるという。そして、中身についてはなにも知らない。そんな子どもや若者に、自分の好きな職業を選びなさいと言っても、選べるわけがない。
とりあえず、好きでも嫌いでもいいから働いたほうがいいという。そもそも働いてみないと好きなことはみつからないのではないだろうかと。